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○○町の○○○科クリニック。土井内科神経内科クリニックです。

神経痛・いびれ

神経痛,神経障害性疼痛とは,神経そのものが障害されて起こる慢性的な痛みです触っただけでも不愉快な痛みや (アロディニア),少しの痛みを過敏に感じることもあります (痛覚過敏).原因は数多くあり,脳や脊髄,末梢神経,どの部位でも発症します

しびれとは,ジンジン,ビリビリ,カーなどで代表される不愉快な感覚です.正座の時や朝起きた時の一過性のしびれが分かりやすいと思います.数多くの原因がありますので,詳細な診察が必要ですが,原因が不明であることも多々あります.突然しびれが一側上下肢に出現した場合は,脳出血などの可能性がありますので,直ちに救急対応病院へ受診してください.

神経痛・しびれをきたす主な疾患

三叉神経痛

一側の顔面に間欠的なしびれや痛みを生じます.部位は頬が多く,洗顔や歯磨き,食事などで誘発されます.三叉神経が血管により圧迫されることにより発症しますが(特発性三叉神経痛),脳腫瘍や脳幹病変など,稀ですが他の原因よることもあります(症候性三叉神経痛).

後頭神経痛

大後頭神経あるいは小後頭神経の障害により,後頭部から頭頂部にかけての痛み,しびれが出現します.強度の肩・首こりや,固い枕などによる後頭部の圧迫によることが原因となります.ときに,大耳介神経の障害により後頭部から下顎にかけてのしびれが出現します.

手根管症候群

正中神経が手首で圧迫されることにより,親指から薬指の親指側にかけてのしびれや痛み,ひどいと親指の筋力の低下も見られます.手首の使い過ぎが主な原因となりますが,時に妊娠中,甲状腺機能低下症,関節リウマチ等でも発症します.親指と人差し指できれいに〇を作れない場合は,正中神経の分枝である前骨間神経障害によります.

異常感覚性手有痛症

橈骨神経浅枝の単独障害により,親指と人差し指の付け根あたりの手背側にしびれが出現します.また,手首を伸展できない下垂手もあれば橈骨神経障害によります.一方,感覚障害はないものの,指を伸展できない下垂指があればは後間骨神経の障害によります.

尺骨神経管 (ギヨン管) 症候群

尺骨神浅深枝が手首で圧迫されることにより,手の平側の小指と薬指の小指側にしびれや痛みが生じます.骨折などの外傷,ガングリオンなどの腫瘤が原因となることが多いです.

肘部管症候群

尺骨神経が肘のあたりで圧迫されることにより,手の平側も手の甲側も含め,小指と薬指の小指側と,手の平の小指側全体にしびれや痛みが生じます.さらに,母指球以外の指を曲げたり広げる筋肉が弱くなります.

頚椎症性神経根症

頚椎症により頚から出た神経が圧迫され,腕や手のしびれが出現します.急性期は,首を反らしてしびれのほうに傾けると,肩甲骨上部や前腕に痛みを伴い,しびれが増強することがあります.頚椎症の部位により,親指側か小指側どちらかにしびれが放散することが多いです.

坐骨神経痛

臀部から大腿から下腿の裏側にかけて広がるしびれや痛みが特徴です.腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症,梨状筋症候群などが原因となることが多く,長時間のデスクワークや過度なスポーツなど,腰への負担となる原因を減らすことが重要です.

閉鎖神経痛

閉鎖神経の障害により,大腿内側に痛みやしびれが生じます.閉鎖孔ヘルニアなど,閉鎖孔での神経障害が原因となります.

異常感覚性大腿痛

外側大腿皮神経の障害により,大腿外側部を中心にしびれや痛みが生じます.骨盤の前の部分での圧迫のより生じます.女性では矯正下着が,男性ではベルトに工具を着用している方などでみられます.

腓骨神経障害

腓骨神経の障害により,足のすねや甲の部分にしびれや痛みが出現します.運動障害により足が上に曲げれない下垂足を呈することもあります.

足根管症候群

脛骨神経が足首の内側で圧迫されることにより,後脛骨神経では足の踵にしびれや痛みが生じます.内側・外側足底神経では足の裏から指にかけてしびれや痛みが出現します.足の甲の部分には出現しません.足が内側に回転していたり,骨折,むくみなどが原因となります.内くるぶしの下あたりを抑えることによってしびれが増悪することがあります.

前足根管症候群

深腓骨神経の障害により,足の第1趾と第2趾の間にしびれや痛みが生じます.足の甲あたりを叩いたり圧迫すると,痛みやしびれが誘発されます.日常履いている靴が原因になることが多い疾患です.

モートン病

足の裏の第3趾と第4趾の間にしびれや痛みが生じます.第2趾と第3趾,第4趾と第5趾の間に生じることもあります.中腰での作業やハイヒールなどによって足の裏で足底神経が圧迫されて起こることが多く,圧迫部位に痛みを伴う腫瘤ができることもあります.

糖尿病性末梢神経障害

糖尿病によって末梢神経障害が障害を受けることによって発症します.一般的に四肢の遠位部から障害を受けますので,足趾や足裏のしびれや違和感 (紙が張り付いている,砂利の上を歩いている) から発症し,徐々に広がることが多いです.

帯状疱疹

顔,胸,腹,手足など様々な部位に発症します.体の一側にしびれや痛みが出現し,数日後に皮疹が出現してきます.皮疹が出現するまでは診断が難しいので,疑ってかかることが重要です.

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹の罹患部位に,皮疹は消失したにもかかわらず,長期にわたり痛みやしびれが後遺症として残ることがあります.痛みやしびれに対して早急に治療を行うことが,後遺症とならないために重要と考えられています.

ギラン・バレー症候群

足先や手先のしびれや脱力が,数日の間に急速に広がる場合は,ギラン・バレー症候群の疑いがあります.風邪や胃腸炎の後,1〜2週間して発症することが多いです.

心因性のしびれ

脳や脊髄.末梢神経の解剖学的に説明が出来ないしびれの範囲を呈する場合,しびれが様々な部位に出たり消えたりする場合などは,心因的な問題が原因となっている可能性があります.様々な検査を行っても異常がなく,背景にストレスがある場合に疑われます.

その他,慢性炎症性脱髄性神経根炎,遺伝性運動感覚ニューロパチー,POERMS症候群,アミロイドーシス,アルコール性神経障害,亜急性連合性脊髄変性症など,稀ですが様々な原因によるしびれがあります.

*突然発症した半身のしびれは,脳出血や脳梗塞の可能性が高いですので,直ちに救急病院に受診してください!

神経痛・しびれの治療

神経障害性疼痛治療

プレガバリン (リリカ),ミロガバリン (タリージェ):カルシウムチャネルのα2δリガンドに作用する薬です.眠気やふらつきの副作用があるため,徐々に増量します.

抗うつ薬

アミトリプチリン (トリプタノール),デュロキセチン (サインバルタ)など:中枢で痛みを抑制する働きがあります.副作用も多いため,慎重に使い必要があります.

抗てんかん薬

カルバマゼピン (テグレトール),クロナゼパム (ランドセン),ラモトリギン (ラミクタール)など:神経の電気活動を抑えることによって作用します.

その他

ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤 (ノイロトロピン),メキシレチン (メキシチール),バクロフェン (ギャバロン),エパレルスタット (キネダック)など:補助的に使用したり,原因によって使い分けたりします.

神経ブロック療法

原因となる神経を,局所麻酔薬やステロイドの注射を行いブロックス治療です.当院では施行できないため,ひだかペインクリニックなどにご紹介させていただいております.

脊髄刺激療法

背骨の中に電極を埋め込んで,電気刺激を行うことにより痛みの神経をブロックする治療です.当院では施工できないため,県立広島病院脳神経外科などにご紹介させていただいております.



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