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○○町の○○○科クリニック。土井内科神経内科クリニックです。

頭痛診療medical info

繰り返す頭痛や顔面痛には様々な原因があり,治療方針が大きく異なります.肩こり=緊張型頭痛ではありません!実は片頭痛でも多くみとめられます.

鎮痛薬を長期・大量に連用すると,薬物乱用頭痛に陥るリスクがあります.薬物乱用頭痛や慢性片頭痛は,うつ病・肥満などとの関連が報告されており,負の悪循環に陥らないために,長期的な視点での治療が必要な疾患です.

診察の流れ

1回目:神経学的検査・血液検査・画像検査・検査済みの方は治療方針決定を行います.

2回目:検査結果判定・診断・治療方針決定を行います.

3回目以降:治療効果の判定,予防療法の継続 (効果判定に2-3ヶ月必要) を行います.

治療方針の見直し:治療効果が乏しい場合,診断の再検討・治療方針の変更を行います.

当院受診時は,
頭痛の問診票を事前にご準備いただけますと幸いです (当院受診時にも記載できます).

片頭痛

片頭痛の誘因除外 (生活指導,ストレス管理,鉄欠乏性貧血などの治療) を行い,頭痛発作の誘因となるものをg減らすことが重要です.

適切な服用タイミングや鎮痛剤との飲み合わせにより,確実に頭痛発作が改善する内服の仕方を探していきます.

トリプタン製剤の内服・点鼻・在宅自己注射の指導.吐き気やお嘔吐がある方,頭痛発作が重度の方は,内服薬のみでなく,点鼻薬や自己注射を行います.

月経時に認められる月経関連片頭痛への対応:月経時の頭痛は重度で治療に抵抗することが多いため,短期予防療法などの治療を行います.

妊娠・授乳中時の片頭痛発作への対応:薬剤の安全性の懸念がありますので,適切な薬剤の選択や飲み方を指導します.

予防療法:頭痛発作が多い方は,薬の内服やサプリメントなどを用いて,頭痛頻度の減少,程度の軽減を目指します.また,新たな予防薬としてエムガルティ,アジョビ,アイモビーグが承認され,使用できるようになりました.

群発頭痛

群発頭痛の誘因を除外:生活指導,禁煙・禁酒,血管解離などの鑑別診断を行います.

トリプタン製剤の内服・点鼻・在宅自己注射療法,在宅酸素療法により,頭痛発作が起きても生活に支障がないように発作を頓挫させることを目指します.

ワソラン・プレドニゾロンなどの予防療法により,群発期間中の頭痛頻度の減少や程度の軽減を目指します.

薬物の使用過多による頭痛

予防薬を併用しながら,原因となる薬物からの離脱療法が基本的な治療です.場合によっては,入院の上行うこともあります.

うつ病や不安障害などの精神疾患が,薬物の使用過多による頭痛と関連することが多いため,それらに対する治療も必要です.

薬物の使用過多による頭痛の場合,原因薬物中止1年後,約60%の患者さんで頭痛が改善したとする報告があります.

緊張型頭痛

多くの方が経験する頭痛で,首の筋肉の負担や精神的ストレスが主な原因です.

ハチマキで巻かれたような,孫悟空の輪っかで強く締め付けられたような圧迫性の痛みが特徴で,飲酒や入浴などで改善することが多い頭痛です.

抗不安薬・抗うつ薬・筋弛緩薬などの使用や,頭痛体操の指導・ストレスマネージメント・生活指導を行います.

後頭神経痛

後頭部に存在する大後頭神経,小高後頭神経,大耳介神経などが主に頸部の筋肉の圧迫を受け,後頭部かけてピリピリ,ズキッで表現される神経痛を起こします.

頑固な肩こりや首凝り,長時間のスマホなど猫背姿勢,ストレートネック等が原因であることが多く,精神的ストレスが誘因となることもあります.

治療として,不良姿勢の改善,肩こりや首凝りの軽減,リラックス,内服療法などを行います.

鑑別診断として,帯状疱疹,頚原性頭痛,頚髄病変(急性脊髄炎,視神経脊髄炎など)が挙げられます.

発作性片側頭痛・持続性片側頭痛・SUNCT/SUNA

群発頭痛と同じく,三叉神経・自律神経頭痛に分類される頭痛です.

一側の頭痛のみならず,様々な自律神経症状をみとめますが,どれも比較的な稀な頭痛です.

三環系抗うつ薬,SNRI,抗てんかん薬,インドメタシンなどを用いた治療などを行います.

三叉神経痛・舌咽神経痛

テグレトール・ガバペン・トリプタノールなどによる予防療法が基本となります.

また,重度の場合はγナイフなどの外科療法も行われますが,神経障害の副作用もあるため,適応になる方は限られます.

根本的な治療として,血管が神経を圧迫している場合,圧迫を解除する減圧術が行われます.

特発性持続性顔面痛・舌痛症・幻歯痛・口腔内灼熱症候群


顔面,舌,歯,口腔内の痛みをきたす疾患です.原因検索が非常に重要ですが,多くが明らかな原因がなく,精神的な問題からの身体症状と考えられています.

精神的な問題を背景に持つことが多いため,三環系抗うつ薬を用いた治療などを行いますが,近年は神経障害性疼痛として治療を行い,奏功する症例も報告されています.

小児の頭痛

小児でも片頭痛や緊張型頭痛は決して稀ではなく,早い方だと幼児期から頭痛を訴えることもあります.

成人と異なり,起立性調節障害,副鼻腔炎などの感染症,頭部外傷なども比較的多い原因です.

慢性連日性頭痛により,不登校の原因となる場合もありますが,単に精神的な問題だけで済ませるのではなく,頭痛自体の治療も重要です.


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