−頭痛外来のお知らせ−
日本頭痛学会認定 頭痛専門医・指導医
慢性頭痛の診療ガイドライン2013 編集委員会協力委員
診断:国際頭痛分類第3版(ICHD-III)
日本頭痛学会・慢性頭痛の診療ガイドライン2013
・繰り返す頭痛や顔面痛には様々な原因があり,治療方針が大きく異なります.
・肩こり=緊張型頭痛ではありません!実は片頭痛でも多くみとめられます.
・鎮痛薬を長期・大量に連用すると,薬物乱用頭痛に陥るリスクがあります.
・薬物乱用頭痛や慢性片頭痛は,うつ病・肥満などとの関連が報告されています.
・負の悪循環に陥らないために,長期的な視点での治療が必要な疾患です.
診療の流れ
1回目:神経学的検査・血液検査・画像検査・(検査済みの方は治療方針決定)
2回目以降:検査結果判定・診断・治療方針決定
3回目以降:治療効果の判定,予防療法の継続(効果判定に2-3ヶ月必要)
治療方針の見直し:治療効果が乏しい場合,診断の再検討・治療方針の変更
片頭痛
・片頭痛の誘因除外(生活指導,ストレス管理,鉄欠乏性貧血などの治療)
・適切な服用タイミングや様々な鎮痛剤の飲み合わせなどの指導
・トリプタン製剤の内服・点鼻・在宅自己注射の指導
・月経時に認められる月経関連片頭痛への対応(短期予防療法など)
・妊娠・授乳中時の片頭痛発作への対応(薬剤の安全性など)
・予防療法(内服療法,サプリメントなど.頭痛頻度の減少,程度の軽減が目標)
群発頭痛
・群発頭痛の誘因を除外(生活指導,禁煙・禁酒,血管解離などの鑑別診断)
・トリプタン製剤の内服・点鼻・在宅自己注射療法
・在宅酸素療法(日本では2018年4月より,保険診療適応となりました)
・ワソラン・プレドニゾロンなどの予防療法(頭痛頻度の減少,程度の軽減)
薬物乱用頭痛・慢性連日性頭痛(主に慢性片頭痛)
・薬物離脱療法・予防療法(使いすぎの市販薬や鎮痛剤からの離脱が必要です)
・合併症への対策(うつ病や不安障害などの精神疾患が多く認められます)
・短期離脱目的のための入院治療(他施設との連携)
・薬物乱用頭痛の場合,原因薬物中止1年後,約60%の患者さんで頭痛の改善.
緊張型頭痛
・多くの方が経験する頭痛で,首の筋肉の負担や精神的ストレスが主な原因です.
・抗不安薬・抗うつ薬・筋弛緩薬などの使用
・頭痛体操の指導・ストレスマネージメント・生活指導
発作性片側頭痛・持続性片側頭痛・SUNCT/SUNA
・非常にまれな頭痛です.
・インドメタシン・ガバペン・トピナなどを用いた予防療法
・リドカイン持続投与(他施設との連携)
三叉神経痛
・テグレトール・ガバペン・トリプタノールなどの予防療法
・ガンマナイフなどの外科療法(他施設との連携)
・圧迫血管の減圧術(多施設との連携)
特発性持続性顔面痛・舌痛・幻歯痛・口腔内灼熱症候群
・三環系抗うつ薬を用いた治療など
・原因検索が非常に重要ですが,精神面が原因の場合もあります.
・近年は神経障害性疼痛として治療を行い,奏功する症例も報告されています.
小児の頭痛
・小児でも片頭痛や緊張型頭痛は決して稀ではありません.
・起立性調節障害,副鼻腔炎などの感染症,頭部外傷なども原因となります.
・慢性連日性頭痛により,不登校の原因となる場合もあります.
・単に精神的な問題だけで済ませるのではなく,頭痛自体の治療も重要です.
・まずは基礎疾患に基づく治療,次に精神的な治療を行います(他施設との連携)
小児の慢性連日性頭痛とは(日本頭痛協会)