男性に多い頭痛で,季節の変わり目などある時期なると,非常に激しい頭痛が,必ず一側の眼窩周囲に,1〜3時間ぐらい出現します.
1〜2か月間の群発期を過ぎると,何事もなかったように去ってい来ますが,稀に頭痛発作がある慢性群発頭痛の方もおられます.
10万人当たり56-401人程度の患者さんがおられ (各国のデータから),日本人では,男性は20〜30歳台,女性は10歳台と60歳台が好発年齢です.
群発期は,Circanual rhythm (季節の変わり目に多い) をみとめる傾向があり,毎年時期が決まっている方や,2年毎に群発期が来る方などおられます.
頭痛発作は,Circadian rhythm (夜間から早朝に多い) をみとめる傾向があります.少なければ数日に1回,多ければ1日に数回頭痛発作があり,ひどい頭痛発作の間も鈍痛が残ることもあります.
必ず一側のみの眼窩周囲を中心とする激痛が15分〜3時間続くのが特徴です.
自律神経症状:流涙,充血,鼻閉,鼻水,眼瞼下垂,顔面の紅潮,耳閉感などがありますが,群発発作中は耐え難い痛みであることが多いため,御本人が気づかないこともあります.
その他の症状:落ち着きが無い,あるいは興奮した様子などをみとめることもあります.
トリプタン製剤の内服・点鼻・在宅自己注射療法を行います.イミグラン自己注射療法が最も効果が高く,その有効性は約80-90%と報告されています.
在宅酸素療法:100%酸素を,7L/m,約10-15分吸入を吸入します.
*酸素療法の有効率:約80% (過去の論文報告から)
4%リドカインスプレー・ベンザ鼻炎スプレー(0.5%リドカイン0.5%を含有)を持ちます.医療用では4%と高濃度ですが,一般的には使用が困難です.
ステロイド:約2週間ステロイドの内服を行います.効果が高く有用な治療ですが,副作用の問題から長期での使用は困難です.群発頭痛が始まった早い時期や,群発頭痛が非常に激しい時期に使用します.
ベラパミル (ワソラン):群発期間中の内服が必要ですが,その効果発現には時間がかかると考えられています.
トリプタン眠前内服:発作が予防できた報告例がありますが,保険適応外です.
大後頭神経ステロイド・局所麻酔薬注射:群発期が短縮した報告例があり,海外ではエビデンスレベルが高いものの,日本での使用はあまり行われておりません.
翼口蓋神経節ブロック:麻酔薬の鼻腔内投与により,群発頭痛の軽減が報告されています.
禁酒!禁煙!昼寝はしない!入浴・運動・飛行機を控えるなど,生活指導も重要です.
海外では反復性群発頭痛に対して,抗CGRP抗体が使用されていますが,日本では保険適応外です.また,大後頭神経刺激療法,翼口蓋神経節刺激療法,深部脳刺激療法なども行われております.
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