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ボトックス治療とは?

日本神経学会認定 神経内科専門医・指導医
ボトックス療法認定資格医
ナーブロック療法認定資格医

ボトックスとは?
 ・ボツリヌス菌が作るボツリヌス毒素A型を医療用に応用したものです.
 ・筋肉を一時的に麻痺させることによって,痙攣や汗を止める働きがあります.
 ・効果は一般的に2〜3ヶ月持続し,2〜4か月以上あけて繰り返し投与します.
 ・約2%の人に,まぶたが下がる,目が乾くなどの副作用があります.

ナーブロックとは?
 ・ボツリヌス菌が作るボツリヌス毒素B型を医療用に応用したものです.
 ・痙性斜頸のみに保険適応が認められています.
 ・ボトックスより安価であり,少量で効果をみとめることが多い薬剤です.

眼瞼痙攣とは?

 
・両目の瞼が勝手にぴくぴくけいれんしたり,眼が閉じてしまいます.
 ・瞬きが多い,眩しい,眼を開けていられない,目をつぶっていたほうが楽.
 ・目が乾く,瞬きが多い,手指を使わないと眼があかない,片目をつぶる.

 ・原因不明なことが多いですが,開眼失行や眼瞼下垂との鑑別が重要です.

片側顔面痙攣とは?
 ・片側の顔の筋肉が勝手にぴくぴくけいれんしたり,口元がひきつったりします.
 ・一般的に顔面神経が動脈硬化を起こした血管により圧迫されて起こります.
 ・顔面神経麻痺(Bell麻痺)の後遺症で起こることもあります.

痙性斜頸とは?
 ・首が理由もなく曲がってしまい,まっすぐ前が向けなくなりします.
 ・明らかな原因は不明ですが,薬剤性など二次的に起こる場合もあります.
 ・より早期に行うことが改善には重要ですが,難治性となる方もおられます

 (現在当院では,痙縮に対する新規の治療は行っておりません)


重度の原発性腋窩多汗症とは?
 ・汗染みのため人目が気になる,学業や仕事に集中できないなど.
 ・特に人と接する仕事の人に精神的な支障をきたします.
 ・効果の持続に個人差がありますが,通常4−9か月持続します.


上肢痙縮・下肢痙縮とは?
 ・主に脳梗塞の後遺症で起こり,日常生活の大きな支障となります.
 ・痙縮を改善させ,麻痺側の手足をより使いやすくすることが目標です.
 ・基本的に入院の上,筋電図や超音波などを用い筋肉に注射します.

 (現在当院では,痙縮に対する治療は行っておりません)

その他
 ・ボトックス50単位:3割負担で約12000円,1割負担で約4000円かかります.
 ・ナーブロック2500単位:3割負担で約9000円,1割負担で約3300円かかります.
 ・痙性斜頸,痙縮に対する治療は,基本的に初回は入院にて行っております.
 ・投与前に必ず画像検査を行い,他の原因がないか確認する必要があります.
 ・眼瞼痙攣,片側顔面痙攣は,5年間の治療により約20%弱の方が改善します.
 (ボトックス,ナーブロック治療を行う際は,事前の予約が必要です)